瓦屋根とスレート屋根、地震での被害の出やすさは違う?
地震後の屋根について、
「瓦屋根は重いから地震に弱い?」
「スレート屋根なら地震でも大丈夫?」
「屋根材によって被害の出方は違うの?」
というご質問をいただくことがあります。
瓦屋根とスレート屋根では、重量や固定方法、屋根材そのものの性質が異なるため、地震が起きたときに現れやすい被害にも違いがあります。
ただし、「瓦だから危険」「スレートだから安全」と屋根材だけで判断することはできません。
今回は、瓦屋根とスレート屋根で地震後に確認したい症状や、それぞれの違いについて分かりやすく解説します。
瓦屋根で地震後に起こりやすい症状

瓦屋根で特に確認したいのが、瓦そのもののズレや棟部分です。
地震の大きな揺れによって、
- 瓦がズレる
- 瓦が浮く
- 瓦が割れる
- 瓦が落下する
- 棟瓦がズレる・蛇行する
- 漆喰や南蛮が崩れる
- 棟の固定が弱くなる
といった症状が発生することがあります。
特に棟瓦は屋根の高い位置にあるため、地震後にズレや崩れがないか確認しておきたい場所です。
「瓦屋根=地震に弱い」とは限りません
瓦はスレートなどと比較すると重量のある屋根材です。
そのため「瓦屋根だから地震に弱い」と思われることがありますが、実際には屋根材の重量だけで耐震性が決まるわけではありません。
建物全体の構造や耐震性能、築年数、瓦の固定方法なども関係します。
特に瓦屋根は施工方法が重要です。
現在では瓦を釘やビスなどで下地へ緊結する方法が採用されており、昔の瓦屋根と現在の瓦屋根では固定方法が異なる場合があります。
「瓦だから危険」と判断するのではなく、どのように施工・固定されている瓦屋根なのかを確認することが重要です。
スレート屋根で地震後に起こりやすい症状

スレート屋根は瓦より薄く、比較的軽量な屋根材です。
地震後には、
- スレートのひび割れ
- 屋根材の欠け
- 屋根材のズレ
- 棟板金のズレ・変形
- 固定部分の緩み
などがないか確認します。
瓦のように大きく崩れていなくても、スレートに細かなひび割れが入っている場合があります。
特に経年劣化によって屋根材が弱くなっている住宅では、地震の揺れがきっかけとなって既存のひび割れが広がったり、欠けたりする可能性があります。
スレート屋根なら地震後の点検は不要?
いいえ。軽量な屋根だからといって、地震後の被害が絶対に発生しないわけではありません。
スレートそのものだけではなく、屋根の頂上に施工されている棟板金やその下地、屋根材の固定状態などにも影響が出る可能性があります。
また、屋根材の下には防水シートや野地板があります。
地震後に雨漏りがないからといって、屋根にまったく異常がないとは言い切れません。
瓦屋根とスレート屋根の違いを比較
| 確認項目 | 瓦屋根 | スレート屋根 |
|---|---|---|
| 屋根材 | 比較的重量がある | 比較的軽量 |
| 地震後に確認したい症状 | ズレ・割れ・落下 | ひび割れ・欠け・ズレ |
| 棟部分 | 棟瓦のズレ・崩れ | 棟板金のズレ・変形 |
| 注意点 | 瓦の固定方法も確認 | 細かな割れを見逃さない |
このように、屋根材によって確認するポイントが異なります。
築年数やメンテナンス状況も重要です
地震被害を考えるうえで、屋根材の種類と同じくらい重要なのが築年数とこれまでのメンテナンス状況です。
例えば、同じスレート屋根でも築年数が経過し、すでにひび割れや劣化が進んでいる場合と、比較的新しく状態が良い場合では、地震後に確認すべきポイントが変わります。
瓦屋根も同様で、瓦そのものが問題なくても、棟部分や固定方法に劣化がある場合があります。
つまり、
屋根材の種類
+
築年数
+
固定方法
+
地震前の劣化状態
+
地震後の損傷
を総合的に確認することが大切です。
地震後はこんな症状をチェック
安全な場所から次のような変化がないか確認してみましょう。
- 瓦の並びが以前と違う
- 棟瓦が曲がって見える
- 庭に瓦や屋根材の破片が落ちている
- スレートが割れている
- 棟板金が浮いているように見える
- 軒天に新しいシミがある
- 室内の天井に雨染みがある
- 地震後に雨漏りが始まった
ただし、屋根を確認するためにご自身で上るのは危険です。
地震によって屋根材の固定が弱くなっている可能性もあるため、地上から見えない部分は専門業者へ点検を依頼しましょう。
地震直後に雨漏りしていなくても注意
地震によって瓦やスレートがわずかにズレたり割れたりしても、すぐに雨漏りするとは限りません。
その後の大雨や台風による強風を伴う雨で、初めて症状が現れる場合もあります。
「地震後に雨が降ったけど大丈夫だったから問題ない」と判断せず、地震前にはなかった変化がないか確認しておくことが大切です。
よくある質問(FAQ)
| Q | 瓦屋根はスレート屋根より地震に弱いですか? |
|---|---|
| A | 屋根材の重量だけで地震への強さを判断することはできません。建物の構造や耐震性能、瓦の固定方法、築年数などによって異なります。現在の瓦屋根では、瓦を下地へ固定する工法が採用されています。 |
| Q | スレート屋根なら地震後に点検しなくても大丈夫ですか? |
|---|---|
| A | スレート屋根でも、ひび割れや欠け、ズレ、棟板金の変形などが発生する可能性があります。大きな被害が見えなくても、地震前にはなかった変化がないか確認しましょう。 |
| Q | 屋根材が割れていたら全部交換が必要ですか? |
|---|---|
| A | 必ずしも全面改修が必要とは限りません。被害が一部分で下地に問題がなければ部分補修で対応できる場合があります。被害範囲や屋根全体の劣化状態を確認して判断します。 |
まとめ|屋根材によって「被害の現れ方」が違います
瓦屋根とスレート屋根では、重量や固定方法、材料の特徴が異なるため、地震後に確認したい症状も異なります。
瓦屋根なら瓦・棟瓦のズレや落下、スレート屋根ならひび割れ・欠け・棟板金などを重点的に確認しましょう。
ただし、屋根材だけを見て「地震に強い・弱い」と決めることはできません。
築年数や固定方法、建物の構造、これまでの劣化状態などを含めて判断することが重要です。
熊本で地震後の屋根が気になる方へ
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