老朽化した外壁のアスベスト?見分け方と危険性を知ろう!
古い住宅に住んでいると、リフォームの際に「アスベスト」が気になってくるかもしれません。
特に外壁は、建物の顔ともいえる重要な部分です。
築年数や外壁の見た目から、アスベストが含まれている可能性を判断する方法を知っておけば、リフォーム計画もスムーズに進められます。
今回は、一般住宅の外壁に含まれる可能性のあるアスベストについて、分かりやすく説明します。
築年数から見たアスベスト含有の可能性
昭和53年以前の住宅の危険性
昭和53年(1978年)以前は、アスベストが様々な建材に使用されていました。
特に高度経済成長期には、その優れた耐火性や断熱性、そして比較的安価であることから、住宅の外壁材、屋根材、内装材など幅広く用いられました。
例えば、セメント系サイディング、スレート屋根、吹き付けアスベストなど、多くの外壁材にアスベストが混入されていました。
そのため、この頃に建てられた住宅では、外壁にアスベストが含まれている可能性が高いと言えます。
具体的な例として、昭和40年代に建てられた多くの集合住宅や、当時の一般的な住宅建築様式である「日本家屋」の改築時に、外壁にアスベストが使用されているケースが数多く報告されています。
ただし、全ての住宅にアスベストが含まれているわけではありません。
建築会社や施主の判断、建材の供給状況などによって、アスベストの使用有無は変化しました。
昭和53年以降の住宅の注意点
昭和53年以降も、アスベストの使用は完全に禁止されたわけではありませんでした。
段階的に規制が強化され、2006年に全面使用禁止となりましたが、それ以前の期間に建てられた住宅やリフォームされた住宅では、アスベストが含まれている可能性があります。
特に、昭和50年代から平成初期にかけて建てられた住宅は注意が必要です。
例えば、この時代に流行した「コロニアル調」のサイディング住宅の外壁材には、アスベストが含まれている可能性があります。
また、リフォーム時に、既存の外壁材を撤去せずに重ね塗りや貼り付けを行った場合、下地材にアスベストが含まれている可能性があります。
外壁材の種類や状態をよく確認し、必要であれば専門業者に相談しましょう。
例えば、外壁のひび割れや剥がれが目立つ場合、内部にアスベストが含まれている可能性が高まります。
外壁の見た目で判断するアスベスト含有の可能性
外壁材の種類の見分け方
外壁材の種類によって、アスベストが含まれている可能性が異なります。
例えば、セメント系のサイディング(主に平板状のもの)、スレート屋根材(黒色の瓦状のもの)、吹き付けアスベスト(スプレーで吹き付けられたもの)は、アスベストが使用されていた可能性のある材料です。
これらの材料は、見た目ではアスベストの有無を判断することはできません。
例えば、同じセメント系サイディングでも、製造メーカーや時期によってアスベストの含有率が異なりました。
また、見た目では判別が難しい「石綿入りセメント板」や「石綿入りモルタル」なども存在しました。
色や質感から推測する方法
アスベストは、灰色、白色、青色、茶色など様々な色をしています。
また、表面が柔らかく、毛羽立っていることもあります。
しかし、色や質感だけでアスベストの有無を判断することは非常に困難です。
例えば、経年劣化によって色が変化していたり、表面にコケが生えていたりする場合、アスベストの有無を判断することは更に困難になります。
見た目から判断するのは危険なので、専門家の判断を仰ぐべきです。
アスベスト含有材は、見た目では健康被害をもたらす危険性を判断できません。
劣化状態からの推測
外壁材が経年劣化し、ひび割れや剥がれが生じている場合、アスベストが露出している可能性があります。
この状態では、アスベストの繊維が空気中に飛散する危険性が高まるため、注意が必要です。
特に、風雨に晒されている部分や、地震などの災害によって損傷を受けている部分では、アスベストの飛散リスクが高まります。
劣化が激しい場合は、早急に専門業者に相談して検査を受けることをおすすめします。
アスベストの飛散は、健康被害につながるため、早期の対応が重要です。
例えば、ひび割れからアスベスト繊維が飛び出している状態は、非常に危険です。
アスベスト含有外壁の見分け方 専門家への相談
専門業者への依頼方法
アスベストの有無を確実に確認するには、専門業者に調査を依頼することが最も確実な方法です。
専門業者は、建物の築年数や外壁材の種類、劣化状況などを調査し、アスベストの含有量を測定します。
依頼方法は、インターネット検索や紹介などで専門業者を見つけ、電話やメールで相談するのが一般的です。
事前に、調査範囲や費用、検査方法などを確認しましょう。
検査費用と手順
検査費用は、建物の規模や調査範囲、使用する分析方法によって異なりますが、数万円から数十万円程度が相場です。
例えば、外壁の一部を調査する場合は数万円、全面的調査の場合は数十万円かかることもあります。
検査手順は、まず専門業者が現場を調査し、サンプルを採取します。
採取方法は、ドリルで穴を開ける方法や、表面を削り取る方法などがあります。
その後、専門の検査機関で分析を行い、アスベストの有無と含有量を調べます。
分析には、偏光顕微鏡を用いた方法や、電子顕微鏡を用いた方法などがあります。
検査結果の見方
検査結果には、アスベストの含有量(重量%)、種類(クリソタイル、アモサイト、クロシドライトなど)、危険レベル(含有量に基づいたリスク評価)などが記載されています。
専門業者から結果の説明を受け、今後の対応について相談しましょう。
検査結果によっては、アスベスト除去工事が必要になる場合もあります。
除去工事は、専門業者に依頼する必要があり、費用は数万円から数百万円程度かかることもあります。
まとめ
今回は、築年数と外壁の見た目からアスベスト含有の可能性を判断する方法、そして専門家への相談方法について説明しました。
昭和53年以前の住宅や、セメント系のサイディング・スレート屋根材を使用している住宅は、アスベストが含まれている可能性が高いです。
特に、昭和40~50年代に建設された住宅は注意が必要です。
外壁の劣化が激しい場合も、アスベストの飛散リスクが高まります。
アスベストの有無を確実に確認するには、専門業者に調査を依頼することが重要です。
専門家のアドバイスを参考に、安全なリフォーム計画を立てましょう。
アスベストは、中皮腫や肺がんなどの深刻な健康被害を引き起こす可能性のある物質です。
不安な場合は、早めの調査と専門家への相談を心がけましょう。
早めに対処することで、健康被害のリスクを最小限に抑えることができます。
リフォームを検討する際には、アスベストの存在を常に意識し、安全に配慮した計画を立てることが大切です。
アスベストに関する情報は、国土交通省や厚生労働省のホームページでも確認できます。