外壁塗装を長持ちさせる下地処理方法と手順を塗料・外壁材別に解説
外壁塗装の耐久性や美観を左右する重要な工程である下地処理。
適切な下地処理を行うことで、塗装の仕上がりを向上させ、長持ちさせることができます。
今回は、外壁塗装の下地処理の手順を、具体的な工程や使用する材料、注意点を含めて解説します。
外壁塗装の下地処理の手順
シーリングの打ち替えと増し打ち手順
シーリングは、外壁の目地部分に充填され、雨水の浸入を防ぐ役割を果たします。
劣化しているシーリングは、打ち替えが必要です。
まず、古いシーリングをカッターなどで丁寧に除去し、プライマーを塗布します。
その後、新しいシーリング材をヘラを使って充填し、表面を平滑に仕上げます。
増し打ちが必要な場合は、既存のシーリング材に新しいシーリング材を追加で充填します。
この際、既存のシーリング材との密着性を高めるために、プライマーを塗布することが重要です。
シーリング材の種類は、使用する塗料の種類や外壁材の種類によって適切なものを選択する必要があります。
ひび割れ補修の方法
外壁にひび割れが見られる場合は、補修が必要です。
ひび割れの大きさや深さによって補修方法が異なります。
小さなひび割れであれば、ひび割れ補修材を充填するだけで済みますが、大きなひび割れの場合は、下地を補強してから補修材を充填する必要があります。
ひび割れ補修材の種類も豊富にあり、使用する塗料の種類やひび割れの状態に合わせて適切なものを選択することが重要です。
補修後は、完全に乾燥させてから塗装に移行しましょう。
下地調整剤の選び方と使い方
下地調整剤は、塗装の密着性を高め、塗膜の耐久性を向上させるために使用されます。
下地調整剤の種類は様々で、目的や下地の状態に合わせて適切なものを選択する必要があります。
例えば、吸い込みの強い下地には、シーラーと呼ばれる下地調整剤を使用することで、塗料の吸い込みを抑え、均一な塗装面を実現できます。
また、アルカリ性の高い下地には、アルカリ中和剤を使用することで、塗料の劣化を防ぎます。
下地調整剤の使用方法については、製品ごとに異なるため、必ず使用方法をよく確認してから使用しましょう。
高圧洗浄の手順と注意点
高圧洗浄は、外壁に付着した汚れや藻などを除去するために重要な工程です。
高圧洗浄機を使用する際は、安全に配慮して作業を行いましょう。
洗浄する際は、適切なノズルと圧力を選択し、外壁材を傷つけないように注意が必要です。
洗浄後には、十分に乾燥させることが重要です。
また、高圧洗浄は、周辺の植栽や建物などに影響を与えないよう、注意深く作業を行う必要があります。

塗料の種類に適した下地処理方法は?
シリコン塗料に適した下地処理
シリコン塗料は、耐久性が高く、比較的安価な塗料です。
下地処理としては、高圧洗浄による汚れの除去、ひび割れやシーリングの補修、下地調整剤の塗布などが重要です。
特に、シーラーの塗布は、シリコン塗料の密着性を高めるために不可欠です。
フッ素塗料に適した下地処理
フッ素塗料は、最高級の塗料で、非常に高い耐久性を誇ります。
下地処理においても、より丁寧な作業が求められます。
高圧洗浄による徹底的な汚れの除去、ひび割れやシーリングの完璧な補修、そして、下地調整剤の適切な選択と塗布が重要となります。
ウレタン塗料に適した下地処理
ウレタン塗料は、柔軟性が高く、ひび割れに強い塗料です。
下地処理としては、高圧洗浄による汚れの除去、ひび割れやシーリングの補修、そして、下地調整剤の塗布を行います。
ウレタン塗料は、下地との密着性が重要であるため、下地調整剤の選択と塗布方法に注意が必要です。

外壁材別の適切な下地処理方法
モルタル外壁の下地処理方法
モルタル外壁は、吸水性が高いため、下地調整剤の選択が重要です。
シーラーを塗布することで、塗料の吸い込みを抑え、均一な塗装面を実現できます。
また、ひび割れや欠損部の補修も丁寧に行う必要があります。
サイディング外壁の下地処理方法
サイディング外壁は、種類によって下地処理の方法が異なります。
例えば、窯業系サイディングは、高圧洗浄で汚れを除去した後、下地調整剤を塗布します。
金属系サイディングは、錆や腐食がないか確認し、必要に応じて補修を行います。
ALC外壁の下地処理方法
ALC外壁は、比較的吸水性が低いため、下地調整剤は必要ない場合もあります。
しかし、汚れやひび割れは丁寧に補修する必要があります。
特に、ALC特有のクラック(ひび割れ)には、専用の補修材を使用することが重要です。
まとめ
外壁塗装の下地処理は、塗装の仕上がりと耐久性を左右する重要な工程です。
今回は、シーリング処理、ひび割れ補修、下地調整剤の使用、高圧洗浄など、具体的な手順と注意点について解説しました。
塗料の種類や外壁材の種類によって適切な下地処理方法が異なるため、それぞれの特性を理解した上で作業を行うことが重要です。
適切な下地処理を行うことで、美しい仕上がりと長持ちする外壁塗装を実現できます。

