ブログ&コラム

外壁塗装で防水性能を高める方法~塗料の種類と施工のポイント~

外壁塗装を検討する上で、防水性能は重要な要素です。
建物を守るためには、雨や湿気から家を守り、長寿命化に繋がる適切な防水対策が不可欠です。
今回は、外壁塗装の防水性能について、具体的な指標や塗料の種類による違い、そして防水性能を高めるためのポイントを解説します。

外壁塗装の防水性能

防水性能の指標となる耐水圧とは

外壁塗装の防水性能を評価する上で重要な指標の一つに「耐水圧」があります。
耐水圧とは、塗膜が水圧に耐えられる能力を示す数値で、単位はmmH₂O(ミリメートル水柱)で表されます。
一般的に、耐水圧の数値が高いほど、防水性能が高いとされています。
しかし、耐水圧だけで防水性能を完全に判断することはできません。
なぜなら、実際の雨水の浸入は、水圧だけでなく、風雨の強さや塗膜の劣化状態など、様々な要因に影響を受けるからです。
そのため、耐水圧の数値は、あくまで一つの指標として捉えるべきです。
例えば、高耐水圧を謳う塗料であっても、下地処理が不適切であったり、施工方法が適切でなければ、十分な防水効果が得られない可能性があります。

透湿性の重要性と数値の見方

外壁塗装において、防水性と同様に重要なのが「透湿性」です。
透湿性とは、塗膜が水蒸気を透過する能力を示す数値で、単位はmv(透湿度)やg/㎡・24h(24時間あたりの透湿度)などで表されます。
透湿性が高い塗膜は、建物の内部から発生する湿気を外に逃がすことができ、結露の発生を抑制する効果があります。
結露は、建物の腐食やカビの発生を招くため、透湿性の高い塗料を選ぶことは、建物の耐久性向上に繋がります。
ただし、透湿性が高いということは、同時に雨水の浸入リスクも高まる可能性があるため、バランスを考慮する必要があります。
具体的な数値は、塗料の種類やメーカーによって異なりますが、一般的に、透湿性が0.1~0.5g/㎡・24h程度の塗料が、多くの場合に適しています。
使用環境や建物の構造を考慮し、最適な透湿性の塗料を選択することが重要です。

塗膜の耐久年数と防水性能の関係

塗膜の耐久年数は、防水性能と密接に関係しています。
耐久年数が短い塗料は、時間の経過とともに防水性能が低下し、雨水の浸入リスクが高まります。
そのため、長期間にわたって建物を保護するためには、耐久年数の長い塗料を選ぶことが重要です。
塗料の耐久年数は、使用する塗料の種類や環境条件によって異なりますが、一般的に、シリコン系塗料は約8~10年、フッ素系塗料は約10~15年、無機系塗料は約15年以上と言われています。
しかし、これはあくまでも目安であり、実際の耐久年数は、施工方法や建物の状態など様々な要因によって影響を受けます。

外壁塗装防水性能の高い塗料の種類と性能比較

シリコン系塗料の防水性能

シリコン系塗料は、比較的安価で、耐久性にも優れているため、一般的に広く使用されています。
耐水性や透湿性もバランスよく備えていますが、フッ素系塗料と比較すると、耐久年数は短めです。
具体的な耐水圧や透湿性などの数値は、メーカーや製品によって異なるため、カタログ等で確認する必要があります。

フッ素系塗料の防水性能

フッ素系塗料は、シリコン系塗料よりも高価ですが、耐候性、耐水性、耐久性に非常に優れています。
長期間にわたって高い防水性能を維持できるため、コストパフォーマンスの面でも優れた選択肢と言えます。
具体的な耐水圧や透湿性などは、製品によって異なるため、メーカーのデータを確認する必要があります。

ウレタン系塗料の防水性能

ウレタン系塗料は、伸縮性に優れ、ひび割れに対する追従性が高いのが特徴です。
しかし、耐候性や耐久性はシリコン系やフッ素系塗料に劣るため、長期間の防水性能の維持は難しい場合があります。

外壁塗装の防水性能を高めるには?

下地処理の重要性

外壁塗装の防水性能を高める上で、下地処理は非常に重要です。
古い塗膜の除去や、ひび割れの補修など、適切な下地処理を行うことで、塗膜の密着性を高め、防水性能を向上させることができます。
下地処理を怠ると、塗膜が剥がれやすく、防水性能が低下する原因となります。

適切な塗料選びのポイント

適切な塗料を選ぶことは、防水性能を高める上で非常に重要です。
建物の構造や環境条件などを考慮し、耐水圧、透湿性、耐久年数などを総合的に判断して、最適な塗料を選びましょう。
メーカーのカタログ等で、それぞれの塗料の性能を比較検討することが大切です。

まとめ

外壁塗装の防水性能は、建物の耐久性や寿命を左右する重要な要素です。
耐水圧や透湿性といった指標を理解し、適切な塗料を選び、丁寧な下地処理を行うことで、高い防水性能を実現できます。
本記事で解説した内容を参考に、ご自身の家の状況に最適な外壁塗装を選んでください。